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感想書く前ですが、保典可愛すぎて困るのでSS投下。
他キャラルート行くときには必ず画面に向かって「ごめんね!」とか「浮気じゃないの!」とか痛々しい言い訳をしてから向かいます。本当です。キモイですね!
↑自覚があればいいというものでもない。

保典あんなに可愛いのに保典サイト少なすぎる。しょうがないので細々増やします……。

追記からSSどぞー。


「おはよう」
 
 彼女の姿を見つけると、歩きのテンポを駆けるに変える。
 エリカも彼女がお気に入りだから、僕らはその点では息が合っている。僕が置いていかれることも、僕だけが先走ることもない。
 
「賀茂くん、エリカ、おはよう」
 
 振り返る彼女の表情が優れない。
 ふんわりと花のような笑顔で迎えてくれるのに、いつものような元気さがなかった。
 
「……もしかして、あまり眠れてない?」
「寝不足はお肌の天敵よ。どうしちゃったわけ?」
「え? え? そ、そんなことないよ! 昨日は12時前にお布団入ったし、大丈夫だよ」
「布団に入ったことと、よく眠れたかは別なんだけどね……まぁ君がそう言うならいいさ。無理はしないで、他の人も頼りなよ」
「この馬鹿はともかく、私には何でも相談していいのよ」
 
 ここで「僕を頼れ」と言えればかっこいいのかもしれないが、彼女が頼るのは他の守護者たちだとわかっている。特に最初の守護者である重森は彼女の信頼を強く得ているだろうし、弟は言わずもがな、壬生の兄弟は信用こそできないかもしれないがその力は頼るに十分なものだし、天野の長男は幼い頃からの兄代わりだ。天野家に関しては僕たちとしても監視を命じられるくらい信用ならない存在なわけだが……彼女が奥底で信じているのは確かだ。
 公の僕としては、彼女が玉依姫として無事且つ典薬寮の元に保護できればそれでいいし、さらに暗躍する何者かをも捕捉できれば、任務としてはまず成功といえるだろう。
 個人の僕としては、彼女が傷付くところは見たくない。何の力もなくても守りたい、と思う。頭脳労働派の僕にあんな戦闘がこなせるとは思っていないが、何もせずにいるよりかは、何か行動を起こした方が遥かにマシだ。僕は僕の持てる力でそれを行うことを躊躇しない。
 
「賀茂くん?」
「あ、あぁ、ごめん! ちょっと考え事を」
「珠洲、行きましょ? 関わってると変なのがうつるわよ」
「変なのってはどういう意味だよ、エリカ!」
 
 ようやく彼女が笑った。
 これもまた、僕にできることの一つ……になるのかもしれないが、何となく納得行かない。
 
「待てよ、僕を置いていくつもりか!」
「賀茂くん、大丈夫だよ。一緒に行こう」
「ほら、エリカ。彼女も僕が必要だと言っているだろう!」
「言ってないわよ。どこまで都合のいい頭なわけ、アンタ」
「エリカ、同じことだよ。私はエリカも賀茂くんも一緒にいて欲しいんだから」
 
 こんな簡単なことで喜んでしまう自分が恥ずかしい。たとえエリカと一括りにされたものでも「一緒にいたい」と言われることは嬉しかった。
 それに、こういう素直さは好感が持てて、僕としては非常に好ましいというか……かわいい、というか。
 
「そ、そこまで言うならしょうがないな。僕だって友達として一緒にいたくないわけじゃないし」
「可愛い! なんて可愛いの!」
 
 一瞬の早業だった。
 彼女の隣にいた僕の脇腹を肘で押し、僕の身体が引いたところで右腕全体で引き離す。最後は振り上げた腕で僕の顎を打ちつけて終了。
 ……見事な流れだ。
 
「ったー! エリカ、お前今!」
「気のせいよ。じゃ、珠洲。今日はふたりっきりでお昼食べましょ。女同士話すことはいくらでもあるものね?」
「ぼ、僕も行く!」
「アンタ、女じゃないでしょ。それとも女装して参加する?」
 
 いや、それは積極的に遠慮したい。
 
「今日は駄目だよ、みんなも司書室に集まると思うから」
「えー! 嫌よ、むさいから」
「エリカ、そんなこと言わないで。お願い」
 
 結局僕もエリカも彼女のお願いには弱い。
 膨れたままのエリカも不承不承頷いた。
 
 
 
 昼の集まりは……いつものことだけれど、良い雰囲気とは言いがたい。
 元々の仲間である重森と陸くんはまぁいいだろう。彼らは玉依姫たる彼女を守ることに異存はない。問題は残りの三名だ。
 僕らも協力する気はあるのだが、いかんせん典薬寮という立場だ。守護者たちからは外様扱いで、信用には至っていない。
 そんな状態でこれからについてまともに話せるわけもなく、結局個人で調べるということで落ち着いたようだ。全員が協調していくには、時間が足りないというのが個人的感想だった。
 僕やエリカはもともと典薬寮という組織内で動いている。
 だからこそ、雰囲気一つで動向が左右されることもわかっていた。自ら天野の長男を糾弾しておいて言うことではないが、それぞれが腹に一物抱えているが故にまとまる力が薄すぎる。
 
「あ、あの、賀茂くん。今、少しいいかな?」
 
 現状を整理していたせいか、どうも厳しい顔をしていたらしい。
 彼女は少し遠慮がちに声をかけてきた。
 眉を緩めて、向き直る。
 
「うん、どうかした?」
「あのね、今朝は心配してくれてありがとう……私、もっと強くならなきゃって思った、賀茂くんが安心できるくらいに」
 
 不安でいっぱいだろうに、彼女は力強く言葉を発した。
 妖に出会うたびにおろおろと怯えていただけの少女も豊玉姫となって現れた姉の影響で少し変わったらしい。
 
「玉依姫としては実に頼もしい言葉だね。でも僕はそのままの君でも、その……いいと思うんだが」
「そういうわけには行かないよ。玉依姫だもの」
 
 玉依姫としての自覚、それ自体は悪いものじゃない、と思う。母親の死で突然その座に就かねばならなくなった彼女は全てを早足で得なければならない。しかし、急速な変化がよりよいものを導く可能性は、あるべき速度で身に付けるそれに比べれば、遥かに低い。できることならゆっくりと、必要な知識の吸収とともに力をつけていくべきだ。
 ……現時点ではそれも机上の空論か。
 
「あのさ、別に安心したいわけじゃないんだ。君が無事で笑ってくれれば……それが一番嬉しい。だから、玉依姫としてじゃない、君らしい生き方を選んで欲しいなって思うよ」
「じゃあ、賀茂くんは私が玉依姫じゃなくても、友達でいてくれた?」
「え?」
「玉依姫の私だから、友達になってくれたんじゃないの?」
「ば、馬鹿言わないでくれ!」
 
 予想外の言葉に声を荒げた。
 今の会話のどこに『玉依姫だから大事なんだ』って台詞があった?
 僕は最初から最後まで『友達の高千穂珠洲』の話をしていたつもりだったのに。
 
「そんな風に思われてたなんて、心外だな。僕は、君が君だったから! 玉依姫としてじゃなく、僕は君が」
 
 すきだから。

「……あまり悲しいことを言うなよ。他の誰かが玉依姫でも、僕らはずっと友達だろ」
 
 思わず飛び出しそうになった言葉は寸でのところで飲み込んだ。
 彼女が好きなのは、本当だ。
 友達を嫌いになんてなるわけないだろ。
 でも、今の「すき」は?
 友達だった?
 そうじゃなかった?
 
「賀茂くん……」
「とにかく! 典薬寮の賀茂保典としてじゃない、僕自身が君の友達だから。僕の友達も玉依姫としてじゃないただの君だよ。君が困っていれば力を貸すし、そういう友達でありたいと願っている」
「ほんと?」
「当たり前だろ。僕は、君自身が、その……き、気に入ったから、友達になりたかったんだ」
 
 身体が熱い。
 頬だけでなく、腕まで赤くなっている自覚がある。
 今すぐにも走り去りたいくらい、なのに彼女は僕を見上げて微笑んでいる。
 そんな顔されたら、置いていけない……。
 僕は咳払いをして気持ちを落ち着け、行こうと声をかけた。





保典はすんごいフィルターかけて見てそうだな、と思いました。
女の子にすんごい夢見てそう。で、エリカ見てガックリしてそう。
珠洲は所謂「昔懐かしい感じの可愛い子」というのを想定しています。基本が守ってちゃんなので、ウチのヒロインに多い攻めにはしにくい……残念。
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