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前回に引き続き歯科医なナイくんのヌイナイ馬鹿話。
また無駄にヌイナイの会話が長いです。
サイト用に書き途中のナイ亜貴もヌイナイ及びクラスメイトの会話が無駄に長いのでまとまらない始末。でも書きたいんだ……!

加筆修正したら、サイトへ移動します。

あと、土曜日に絵チャとかしようかと思うんですがパニパレで人来るかしら? サーチで宣伝してこよっかな。



 手の下でわかめが蠢いている。
 と考えたら、治療中なのに少し気持ち悪くなった。
「ひゃい」
 黙ってあげろと言っているのに、何故か返事と一緒にわかめは左手を上げた。
「どうしましたかー、内沼さん」
「超痛いんですけどー、乃凪先生」
「我慢」
「麻酔追加の方向で」
「いらない。大丈夫だ、内沼なら出来る」
「え、ちょ、何そのいらない信頼……あッ、いや、やめてー!」
「……先生」
 遠慮しがちに助手が声をかけてくる。
 苦笑すら浮かべられない様子は学生時代の周りの反応を思い起こさせて懐かしい。が、それはあまり楽しい思い出でもない気がした。
「ごめんね、うるさくて。黙らせるから、知らないフリをしていていいよ」
「いえ、追加して差し上げたらどうかと」
「大丈夫だよ。こう見えても痛いの好きだから」
 助手としては有能な彼女が冷や汗を流して目を逸らした。
 ……だから、内沼がいるとやりにくい。それ以上に、これはこれで自然な姿なんだろうな、と一瞬でも考えてしまった自分がとてつもなく怖い。
「あとちょっとだから。早くご飯食べられる方がいいだろ、内沼ー」
「それとこれとは別なんだよ、こんのドメスティックバイオレンス男が!」
「全ッ然違うな。意味をよーく考えろ。お前にだけはありえない。だからと言って亜貴にも絶対しないけどな」
「ごめんごめん。久しぶりだから間違えちゃった。セクシャルバイオレンスだったよね」
 完全に助手が引いている。
 ありえないくらいに。
「たぶん適した言葉は『サディスティック』だろうけど、全部否定しておくからな。変な評判が付いたらどう責任取ってくれるんだ、内沼」
「やだよ、ノリちゃんなんかいらないよ」
「何の話だ」
「責任とって嫁にもらえなんて、相変わらず古風でつまらなくて薄い男だねー」
「薄いは全く関係ないな!」
 器具を持ち直すと、治療を再開する。
 キュイーンという音に真っ青になっている内沼を見下ろしていると、何だか妙に勝ったような気になってしまうのはガキ臭いだろうか。いや別にいじめたいわけでも勝ちたいわけでもないが。
 
 あとは型取りというところになり、外がずいぶんと暗くなっていることに気付く。
 ひどい遅刻はなくなったものの、内沼は遅れてくることが多い。その分残業になるわけで、今日も既に40分ほど超過して働いていた。
 残業が大好きな人間はそう多くないだろうし、助手の女性はまだ若い。予定があるかもしれないし、帰りも遅くなりすぎない方がいいに決まっている。あとは自分で出来るな、と判断して型取りの準備に向かった助手に声をかける。
「あーっと。いいよ、後は僕一人で平気だから。遅くまで悪かったね、片付けもいいから上がっちゃって」
「そうですか? じゃあ失礼しますね」
「うん、お疲れ様。気をつけて」
 彼女が明日、他の女性陣に今日のことを触れ回らないことを本気で願いながら、できるだけいつもどおりの態度で送り出した。
 対内沼時の自分を出してもいいことは一つもないと、乃凪は経験上よーく分かっている。
「何『僕』とか言っちゃってんの」
 助手がスタッフルームに入ったのを見越したようなタイミングで、内沼が口を開く。
 まだ治療中なのだから黙っていて欲しいが、この男は昔から空気が読めない。読まなくてもいいときは読むくせに。
「一応職場だからな。公の場としての発言だ、おかしくない」
「えー、俺はてっきり浮気現場の目撃かと思ったよ。不自然だったし、あとで行くから先帰って待ってて……のアイコンタクトみたいな」
「誰がするか!」
「お、言い切った」
「当たり前だろ。何でお前に浮気宣言しなきゃならないんだよ。第一、する気はない」
「度胸ないもんね、ノリちゃん☆」
「度胸か? 度胸の問題なのか、浮気は!」
「ま、度胸があっても俺はしないけどね」
「ああ、そうしろ。是非」
 内沼はふざけた性格のわりに、一途でまっすぐな感情の持ち主でもある。高校から大学まで一人を思い続け……真面目なことが苦手ゆえに、一度目の告白は認識されないままで終わったが、そのような面は一番近くにいた乃凪が最もよく知るところでもある。
「ところでー、最近亜貴ちゃんどうなわけー?」
「どうって……帰れば家にいるけど?」
 内沼が何が聞きたいか分からず、思いついた一番最初をそのまま口に出す。
「あ、なんだろう。すごくムカついた」
「何故! 答えてやったのにお前がムカつくのか! むしろ俺が腹立つわ!」
「うるさいよ、ノリちゃん。知ってる? 興奮すると毛って抜けるんだよ」
「それくらい知ってる」
「さすがノリちゃん! 髪を気にしてるだけのことはあるー」
「内沼……このまま口中に穴開けてやろうか?」
「医療ミスで訴えてやろうか」
「……」
「……」
「……」
「でね、亜貴ちゃんだけど」
 数十秒の睨み合いを、あっさりポイ捨てするその切り替えの良さは乃凪と内沼の友情関係を持続させてきた原因の一端でもあるかもしれない。
 呆れる反面、感心する。
「いきなり話題戻したな。用があるなら、家に来てもいいが手短にな。玄関から先には絶対上がるなよ」
「ハァ?! 何この亭主関白気取り! え、ストーカー? 家庭内ストーカー?」
「お前がいると静かで落ち着いた我が家が阿鼻叫喚の地獄に変わるんだよ、来るな」
「とか何とか言っちゃって、二人の愛の巣に邪魔者が入るのが嫌なんでしょ。ノリちゃん、気持ち悪いよ!」
「気持ち悪いとか言うな、白原思い出すだろうが!」
「もーやっぱりノリちゃんなんかに亜貴ちゃんあげるんじゃなかったよー。この陰険エロ眼鏡」
「眼鏡はかけてないだろ!」
「エロはいいんだ」
「よくないが、とりあえず眼鏡は違う!」
「ふぅん。ノリちゃんの中では嫌なものって
眼鏡>白原>エロ>髪の毛
の順番なんだね」
「その決定もよくわからん! というか髪の毛の順位が低すぎだろ。明らかに眼鏡と交代すべきじゃないか?!」
「ううん、これが正解☆」
 正解な訳あるかーと大絶叫をかまし、マスクをしたまま肩で息をする。これではいつまで立っても治療が終わらない。
「大体あげるあげないもない。亜貴はもう俺のだから」
「うっわぁ言っちゃった! 恥ずかしい台詞言っちゃった! 亜貴ちゃんに報告っと」
 内沼は腰の下をごそごそと探り、ジャラジャラとストラップの付いた携帯電話を取り出す。乃凪の携帯は、といえばシンプルなシルバーのストラップが一つと、内沼に無理矢理つけられたご当地何とかの可愛らしいものだけだ。
 よくそんなものを下敷きにして座っていられたな、と突っ込む前に、恥ずかしい台詞メールをストップする言葉が先に出た。
「するな! そもそも院内で携帯の電源入れるな! お前は治療を受けようと言う気があるのかないのかどっちなんだ!」
 結婚までしておいて今更……いや、だからこそかもしれないが、やはり相手のいないところでの台詞をあとから聞かせるのは、気恥ずかしい。
「えー、ノリちゃんに治されたら、薄さを歯に詰められそうだし」
「詰められないし、お前はどれだけ水で薄めても無駄なくらい、濃いから無用の心配だ。安心しろ」
「褒められた?」
「けなしたんだ」
「なるほど、薄い我が身を振り返り羨んだってわけ。ノリちゃんは本当に可哀想な男だね」
「人の話聞こうなー、内沼ー」
 結局この日は、内沼を乃凪家にご招待する羽目になった。
 ちなみに夕飯は「お前に亜貴の料理を食わせるのはもったいない」と乃凪が手料理を振る舞い、非常に好評を得すぎたあまりに亜貴が膨れるというおまけ付きだったのだが、今回の話とは関係ない。


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開業医ということで30半ば(それでも早いのかな……どうだろ)を想定していますが、そう考えると怖い子内沼。
そしていつまでも新婚気分の乃凪。
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